当サイトの記事は編集部がメーカー公式情報などの公開情報をもとに独自に調査・執筆しています。記事内にはアフィリエイト広告を含む場合があります。
プリウスを選ぶ時、最初に迷うのがHEVかPHEVかですよね。PHEVのほうが高いけれど、電気で走れる分だけ得なのでは、と気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、燃料代の差だけで価格差の元を取るのは難しいです。PHEVは「家で充電して電気で走る生活」と「非常時の電源」に価値を感じる人向けの選択なんです。
価格差、燃費、電気代の試算を並べて、どちらが自分に合うかを見ていきます。
プリウスのHEVとPHEVは何が違う?
5代目プリウス(60系)のパワートレインは3種類です。一般の販売店で選ぶZとGには、2.0LのHEVとPHEVが用意されています。
| 項目 | 2.0L HEV(Z/G) | 2.0L PHEV(Z/G) |
|---|---|---|
| 充電 | 外から充電しない | 家庭などでAC200V普通充電 |
| 電気だけで走れる距離 | 短い距離のみ | 19インチで86km、17インチで102km(WLTC) |
| システム最高出力 | 196PS(2WD) | 223PS |
| 駆動方式 | 2WD/E-Four | 2WDのみ |
| 燃料タンク | 43L | 40L |
| 駆動用電池 | リチウムイオン 4.08Ah | リチウムイオン 51.0Ah |
HEVは、エンジンとモーターを組み合わせて走るハイブリッドです。外から充電はせず、ガソリンを入れて走ります。
PHEVは、大きな電池を積んで、家で充電した電気でしばらく走れるハイブリッドです。電気がなくなると、HEVと同じようにガソリンで走ります。
毎日の移動が短く、自宅で充電できるならPHEVの良さが生きます。充電できない環境や、長い距離を走ることが多いならHEVのほうが無駄がありません。
『プリウスって電気自動車なの?』と聞かれることもあります。
プリウスに電気だけで走るEV(BEV)はありません。PHEVも、ガソリンと電気の両方を使う車なんです。
ちなみに、ガソリンだけで走るガソリン車も5代目にはありません。全車がハイブリッドです。

価格差はいくら?グレード別に比べる
’26年7月現在のメーカー希望小売価格(消費税込・トヨタ公式)で比べてみます。
| グレード | HEV 2WD | PHEV(2WD) | 差額 |
|---|---|---|---|
| Z | 399万8,500円 | 464万5,300円 | 64万6,800円 |
| G | 332万4,200円 | 388万4,100円 | 55万9,900円 |
同じグレードで比べると、PHEVはHEVより55万9,900円〜64万6,800円高くなります。
HEVにはE-Four(4WD)もあり、2WDより25万3,000円高い設定です。PHEVにはE-Fourがありません。雪国で4WDが欲しいなら、選べるのはHEVだけになります。
PHEVは国や自治体の補助金、減税の対象になるかどうかで、実質の支払額が変わることがあります。補助金の額は年度や予算で変わるため、ここでは本体価格の差で比べています。くわしくは プリウスPHEVの補助金・減税 で見てみてください。
グレードごとの装備の違いは プリウスのグレードの違い で一覧にしています。
燃費とEV走行距離を比べる
次は燃費です。国土交通省審査値(WLTCモード)で比べます。
| パワートレイン | 総合燃費 | EV走行距離 |
|---|---|---|
| 2.0L HEV 2WD(19インチ) | 28.4km/L | なし |
| 2.0L HEV E-Four(19インチ) | 26.8km/L | なし |
| 2.0L PHEV(19インチ) | 25.9km/L | 86km |
| 2.0L PHEV(17インチ装着時) | 30.1km/L | 102km |
ここで気づいた方もいるかもしれません。ガソリンで走っている時の燃費は、19インチ同士だとPHEVのほうがHEVより少し悪いんです。
PHEVは電池が大きい分、車両重量がZで1,570kgあります。HEVのZ(2WD)は1,420kgなので、150kg重い計算です。
つまり、PHEVが得をするのは「充電した電気で走っている間」です。充電しないまま乗ると、HEVより燃料代がかかってしまいます。
- 自宅に充電設備がなく、ほとんど充電しない
- 高速道路で長い距離を走ることが多い
- 月に数回しか乗らず、電気で走る距離が短い
電気代とガソリン代で元は取れる?
ここがいちばん気になるところですよね。100kmあたりの燃料代・電気代を試算してみます。
単価は仮に、電気を1kWhあたり31円、レギュラーガソリンを1Lあたり170円として計算します。実際の単価は契約や時期で変わるので、自分の単価に置き換えてみてください。
| 走り方(19インチ) | 使う量(100kmあたり) | 100kmあたりの費用(仮単価) |
|---|---|---|
| PHEVを電気で走る | 13.8kWh(138Wh/km) | 約428円 |
| HEV 2WDでガソリンで走る | 約3.52L(28.4km/L) | 約599円 |
| PHEVをガソリンで走る | 約3.86L(25.9km/L) | 約656円 |
PHEVを電気だけで走らせた時、HEVとの差は100kmあたり約171円です。
年に1万km走って、その全部を電気で走れたとしても、差は年間で約1万7,000円です。Zの価格差64万6,800円を燃料代だけで取り戻すには、単純計算で30年以上かかります。
『えっ、そんなにかかるの?』と驚いた方も多いと思います。
そうなんです。燃料代だけで比べると、PHEVは元が取りにくい車なんです。

それでもPHEVを選ぶ理由
ただ、PHEVには燃料代以外の価値があります。
- 近所の移動なら、ほぼエンジンをかけずに静かに走れる
- システム最高出力223PSで、加速に余裕がある
- AC100V・1500Wのコンセントで、停電時やキャンプで電気が使える
- 補助金・減税の対象になれば、価格差が縮まることがある
- 自宅にAC200Vの充電設備が必要(工事費が別にかかることも)
- 急速充電には非対応、V2Hにも対応していない
- E-Fourが選べない
- 燃料タンクが40Lと、HEVより3L小さい
もう1つ、税金の区分も少し違います。自動車税は1.8L・2.0Lとも年36,000円で同じですが、重量税はHEVが1.5t以下、PHEVが1.5t超2.0t以下の区分になります。維持費の全体は プリウスの維持費 で見ています。
特に非常時の電源は、数字では測りにくい価値です。ヴィークルパワーコネクターを使えば、充電口から家電に電気を取り出すこともできます。
PHEVの充電のしかたやコンセントの場所は プリウスPHEVの価格・EV走行距離・充電のしかた でくわしく見ています。
HEVとPHEV、あなたに向いているのは?
ここまでを踏まえると、向いている方はこう分かれます。
| こんな方 | 向いているのは |
|---|---|
| 自宅に充電設備を付けられる | PHEV |
| 1日の移動が数十km以内で、ほぼ毎日乗る | PHEV |
| 停電時の電源やアウトドアでの電気が欲しい | PHEV |
| マンションなどで充電設備を付けにくい | HEV |
| 高速道路の長距離移動が多い | HEV |
| 雪国で4WD(E-Four)が必要 | HEV |
| 本体価格をできるだけ抑えたい | HEV |
例えば、こんな相談はよくあります。
「通勤は片道15kmくらいで、家は戸建てです。PHEVとHEV、どっちがいいですか?」
「それなら往復30kmはほぼ電気で走れますね。充電設備を付けられるなら、PHEVの良さを一番感じやすい使い方だと思います」
一方で、マンション住まいで充電設備を付けにくい方は、HEVのほうが素直な選択です。
- 自宅の駐車場にAC200Vのコンセントを付けられるか
- 1日に走る距離が、EV走行距離の範囲に収まるか
- 補助金の対象になるか、受付の状況はどうか
- 工事費を含めた総額で、価格差をどう考えるか
迷った時の決め方
それでも決めきれない時は、次の順番で考えてみてください。
- 自宅の駐車場に充電設備を付けられるかを確かめる
- ふだんの1日の走行距離を、1週間ほどメモしてみる
- その距離がEV走行距離(19インチで86km)に収まるかを見る
- 補助金の対象と工事費を入れた、実質の価格差を出す
- 非常時の電源や静かさに、その差額を払う価値があるかを考える
1で「付けられない」となったら、その時点でHEVを選ぶのが自然です。『いつか付けられたら』でPHEVを選ぶと、充電しないまま重い車に乗ることになりかねません。
グレードはZとGどちらにする?
HEVかPHEVかが決まったら、次はZかGかです。
HEVのGとZの差は67万4,300円、PHEVのGとZの差は76万1,200円です。Zには、12.3インチのディスプレイオーディオPlusや前席シートベンチレーション、パノラミックビューモニターなどが標準で付きます。
ハイビームも違います。Zはアダプティブハイビーム(HEVのZは2026年7月から)、Gはオートマチックハイビームです。
『PHEVにしたいけれど、Zだと予算オーバー』という方には、PHEVのGという選択もあります。PHEVのGは2024年10月に追加されたグレードで、価格は388万4,100円です。これはHEVのZ(399万8,500円)より11万4,400円安い金額です。
Zの装備を細かく見たい方は プリウスZの装備と価格 をどうぞ。
プリウス買いたいドットコム
プリウスの値段、先に相場を見ておく
今の車の買取相場と、プリウスの値引き・総額の目安を先に知っておくと、商談で迷いにくくなります。
無料今の車の買取相場を調べる※相場は年式・走行距離・状態で変わります。
値引きや商談の進め方は プリウスの値引き相場と限界額 にまとめています。HEVとPHEVの両方で見積もりを取って、支払総額で比べてみるのがおすすめです。
- トヨタ プリウス 公式サイト:最新の価格・グレード・装備はメーカーの公式情報で確認できます
よくある質問
プリウスのHEVとPHEVの一番大きな違いは何ですか?
PHEVは家で充電した電気で、19インチ車なら86km(WLTC)走れる点です。HEVは外から充電せず、ガソリンとモーターで走ります。
PHEVは燃料代で元が取れますか?
燃料代だけで比べると難しいです。仮の単価で試算すると、年1万kmを全部電気で走っても差は年約1万7,000円で、価格差を取り戻すには30年以上かかります。
プリウスに電気自動車やガソリン車はありますか?
5代目には、電気だけで走るEV(BEV)も、ガソリンだけで走るガソリン車もありません。全車がハイブリッド(HEVかPHEV)です。
PHEVは急速充電できますか?
5代目のPHEVは普通充電(AC200V)のみで、急速充電とV2Hには対応していません。急速充電に対応していたのは旧型のプリウスPHV(ZVW52)です。
4WDが欲しい場合はどちらを選べばいいですか?
E-FourはHEVにだけ設定があり、2WDより25万3,000円高くなります。PHEVは2WDのみです。
1.8Lのハイブリッドは選べますか?
1.8L HEVはビジネス向けのXと、KINTO専用のUに設定されています。一般の販売店で選ぶZとGは2.0Lです。
まとめ
- HEVとPHEVの価格差は、Gで55万9,900円、Zで64万6,800円(’26年7月現在)
- PHEVのEV走行距離は19インチで86km、17インチで102km(WLTC)
- ガソリンで走る時の燃費は、19インチ同士だとPHEV25.9km/L、HEV28.4km/L
- 燃料代の差だけでは元を取りにくい。電気で走る生活や非常時の電源に価値を感じるならPHEV
- 充電設備を付けにくい、長距離が多い、4WDが必要ならHEV





コメント